Last Modified: 2002.04.23
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ROBOT DOG

ロボット犬とAIBOの類似性
 PostPetAIBOも同じSONYから販売されていますが、おもちゃプラグイン「ロボット犬」は家庭用ロボット「AIBO」とどのくらい類似しているかを検証してみます。
 PostPetはソニーコミュニケーションネットワーク株式会社、AIBOはソニー株式会社から発売されました。

 ポストペットのおもちゃプラグイン「ロボット犬」は「PostPet2001 1st Anniversary」のオマケCD-ROMに収録(ポストペットパークでも配布あり)されており、1998年12月25日にリリースされています。
 プラグインのコメントによれば「科学の粋を集めて制作されたイヌ型ロボットです。メールを運ぶことはできませんが、ペットとの相性によって反応しなかったりします。」と説明されていることから、明らかにイヌ型のロボットを意識して制作されています。
ロボット犬ロボット犬

PROTO19971997年試作機 PROTO19981998年試作機「6号試作機」  1998年12月当時、AIBOは自律型エンターテインメントロボット(この時点では「AIBO」という名称は存在していない)として開発途中の試作機であり、第1回ロボカップ(1997年08月)と第2回ロボカップ(1998年07月)に試作機が公開されています。
 試作機ということで機能を持たないモノが省かれており、ロボット犬にある特徴的な耳がついていません。

 一方で、製品化のためのデザインスケッチが1998年04月に完成しています。このスケッチによれば、ロボット犬にも見られる「耳」と「尻尾」が動作・可動するようになっており、頭部にはロボットらしさのある顔、胸部には何らかの機構が組み込まれています。
 開発にあたっては、硬い素材で柔らかに揺れる「耳」、感情に基づいて上下左右に振れること「尻尾」を実現しています。
 なお、これらの開発における機構設計や素材選択に関するエピソードはAIBO公式サイトで。
 また、このロボットの名称を「AIBO」とすることは1998年10月に決定され、命名には「Artificial Intelligence(AI:人工知能)」「Eye(眼:視覚)」のアイを持ち、人間のパートナーである「相棒(あいぼう)」の意味が込められています。
DESIGN

ERS110  AIBOが発売されたのは1999年06月01日(受注開始は05月11日)であったことから、製品版AIBO「ERS-110」はSONYの開発者しか見ることはなかったと思われますが、同じSONYグループであったことを考えれば、PostPetを開発したPetWORKsのメンバーがERS-110(開発途上モデル)を目にしていたことも否定できません。

 ロボット犬のモチーフがAIBOであると仮定し、モチーフとなったモデルがどれにあたるのか、各モデルとの比較により検証してみます。
  1998 試作機 デザイン画 ERS-110 ERS-111 ロボット犬
本体色 シルバーっぽい 白?? シルバー?? メタリックシルバー グレイシルバー シルバーっぽい
なし 縦長 縦長 縦長 横長2段
なし なし やや長い垂れ耳 やや短い垂れ耳 半立ち耳
なし あり あり あり あり
胸部 機構なし 鍵穴あり 一時停止ボタン 一時停止ボタン ランプあり
前脚 腹部から順関節 背部から順関節 胴中部から順関節 胴中部から順関節 胴中部から順関節
後脚 腹部から順関節 背部から順関節 胴中部から順関節 胴中部から順関節 胴中部から逆関節
尻尾 なし 3関節 4関節 3関節 2関節以上??
価格 非売品 非売品 250,000円 250,000円 無料
 ボディカラーを見る限りロボット犬の筺体はシルバーっぽい色をしていることから、全モデルが同様の塗色(または素材色)を有しています。
 頭部のデザインに関しては、眼に相当する部分がデザインされているのは試作機を除く各モデルですが、大きさや形が異なっています。同様に、試作機を除く各モデルに耳が付いていますが、ロボット犬のみ形状が異なっています。なお、試作機以外にはすべて口がついています。
 胴体に関しては、機能が明らかになっていない胸部の装飾(ボタン?)に相当するものが試作機を除いて装備されていますが、肩関節と股関節の位置が試作機(腹部)デザイン画(背部)と異なり、製品版に近いものとなっています。
 前脚の構造は全モデルとも同様ですが、後脚の構造がロボット犬だけが空想世界でよく見られる「逆関節」となっています。逆関節ロボといえば、STARWARSのAT-ST、ROBOCOPのED-209。

 実際に「モモにロボット犬を与えたときの行動」、逆に「モモにAIBOを与えたときの行動」を確認してみます。
モモにロボット犬を与える
遊ばれるロボット犬
 モモにロボット犬を与えてみたところ、ロボット犬は首を上下に振るなどAIBOと似た動作を見せていました。
 また、モモはロボット犬を発見するとハートマークを出しながら抱えて歩き回ってみせました。
モモにAIBOを与える
襲われるモモ
 PostPetにAIBOを持ち込むことができないので、AIBOにモモぬいを与えてみたところ、AIBOの群れにモモぬいが襲われてしまいました。
 これはAIBOの持つ画像認識プログラム「ピンクボールで遊ぶ習性」によるものです。

 結論「無理矢理こじつけようとしたけれど、私にはこれが限界です。」

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